最高裁判所第三小法廷 平成元年(行ツ)37号 判決 1991年6月04日
上告人
青森県地方労働委員会
右代表者会長
高橋牧夫
右指定代理人
関谷耕一
小野慧
佐藤光彦
坂上眞
右補助参加人
紅屋労働組合
右代表者執行委員長
坂田栄三
右訴訟代理人弁護士
二葉宏夫
被上告人
紅屋商事株式会社
右代表者代表取締役
秦計機雄
右当事者間の仙台高等裁判所昭和六一年(行コ)第三号不当労働行為救済命令取消請求事件について、同裁判所が昭和六三年八月二九日言い渡した判決に対し、上告人から一部破棄を求める旨の上告の申立てがあった。よって、当裁判所は次のとおり判決する。
主文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理由
上告人及び上告代理人関谷耕一、同高橋寛美、同斎藤茂の上告理由第一点について
被上告会社の主任以上の地位は企業の指揮管理系統の下における役職に属するとした上、補助参加人の組合員を右主任以上の地位に昇任させないことが不当労働行為に当たるとは認められないとした原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是認することができる。原判決に所論の違法はなく、また、所論引用の判例に違反するところもない。論旨は、採用することができない。
同第二点について
補助参加人の組合員らを主任以上の地位に昇任させないことが不当労働行為に当たると認められないことは原判示のとおりであるから、本件各救済命令のうち役職手当に関する部分及び棟方義則を除くその余の者の職責手当に関する部分は、その命令内容の当否について判断するまでもなく、いずれも違法として取消しを免れないものである。そうすると、右命令内容の当否に関する原審の仮定的判断を論難する所論は、判決の結論に影響を及ぼさない点の違法をいうに帰するのであって、失当である。論旨は、採用することができない。
よって、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 坂上壽夫 裁判官 貞家克己 裁判官 園部逸夫 裁判官 佐藤庄市郎 裁判官 可部恒雄)